人数が増えてくると、ケイドロは「走る遊び」から「段取りの遊び」に変わります。
数人なら「あそこの木まで」で足りたことが、30人になると通じません。範囲があいまいだと試合中ずっと「今のアリ?」でもめますし、警察と泥棒の数が偏るとあっという間に終わってしまいます。
学級レクや子ども会、大学のサークルで大人数のケイドロを企画する方に向けて、当日までに決めておくと楽になることを順番にまとめました。
ルールそのものについては前回の記事を、ケイドロとドロケイの呼び方の違いについてはこちらの記事をどうぞ。
1. まず範囲を決める
もっとももめるのが範囲です。「あそこまで行っていい?」「今のは外じゃない?」が、試合中に何度も出てきます。
範囲を決める理由は、実はゲームのためだけではありません。
公園は、子どもだけが使う場所ではありません。小さい子から高齢者まで、いろいろな人が同じ場所を利用しています。大人数で走りまわるからこそ、ゲームの範囲だけでなく、ほかの利用者の邪魔にならない範囲を考えておくことも大切です。
外しておきたい場所
- 小さい子が遊んでいる遊具のまわり
- 道路に面した側、駐車場の出入口
- 住宅がすぐ隣にある側(声が思ったより響きます)
- 手入れされている花壇や植え込み
決め方のコツ
言葉で説明した範囲は、必ず食い違います。「あの木のあたり」の「あたり」が人によって10メートル違うからです。
ベンチ、鉄棒、時計台、水飲み場など、誰が見ても同じものを目印にすると食い違いが減ります。それでも当日に「どっちだっけ」となるので、開始前にみんなで一周歩いてしまうのがいちばん確実です。
私たちのアプリでは、遊ぶ範囲を地図の上で決めておけます。歩いて確認する手間は減りますが、初めての場所なら一周してみるのはやはりおすすめです。
2. 警察と泥棒の人数を決める
泥棒を少し多めにすると、追いかけっこが長続きします。迷ったら、警察1に対して泥棒2くらいから試してみるのがおすすめです。
30人なら警察10人・泥棒20人。学校のクラス単位だと、ちょうどこのあたりの規模になります。
- 警察が多すぎると、すぐに全員つかまってしまいます
- 警察が少なすぎると、誰もつかまらないまま時間切れになります
チーム分けの方法
大人数だと、これがまた時間を食います。「グーとパーで分かれましょ」でぱっと二つに分けてしまうのが早いです。人数が合わなければ、はみ出た人たちだけでもう一度やる。昔からのやり方がいちばん速いままです。
なお、この掛け声は地域によってかなり違うそうです。そのあたりはまた別の機会に。
3. 牢屋をどこに置くか
つかまった泥棒が入る場所です。ここの置き方でゲームの雰囲気がかなり変わります。
隅に置くと、つかまった人がゲームの中心から離れすぎてしまいます。
ど真ん中に置くと、今度は人が集まりすぎて動きにくくなります。
ちょうどいいのは、少し外れているけれど、走っていれば目に入る場所です。地面に丸を描く、ベンチをそのまま使う、鉄棒のあいだを牢屋にする。何でもかまいませんが、誰が見てもそこだと分かることが大事です。
「ここからここまでが牢屋」があいまいだと、つかまった人がじりじり外に出ていて、あとでもめます。
4. 始まりの合図を決める
泥棒が散らばる時間が要ります。ここを飛ばすと、開始と同時に数人がつかまって、その子たちは残りの時間をずっと牢屋で過ごすことになります。
昔ながらのやり方は「警察が10数える」「30数える」です。ただ、数える人が早口だったり、指のすきまから見ていたりするのはご存じのとおりです。
人数が多く、範囲が広いほど、逃げる時間も少し長めにとっておくと安心です。
私たちのアプリには、開始してから警察が動けない時間を設定しておく機能があります。数える人のさじ加減に任せなくて済むので、この部分だけは機械に任せてしまってもいいと思います。
5. 「どこにいるか分からない」問題
大人数のケイドロでいちばん起きやすい失敗が、これです。
広い場所に30人が散ると、お互いを見つけられません。警察は走りまわっているのに誰にも会わない。泥棒は隠れたまま、何も起きないまま時間だけが過ぎる。走った距離のわりに、思い出に残らない試合になります。
かといって、全員の居場所がずっと分かってしまうと、今度は泥棒が逃げる意味をなくします。
ときどき分かるくらいが、ちょうどいいのだと思います。
人数が増えるほど、声をかけあうだけでは追いつかなくなります。企画する側で何か仕組みを用意しておくと安心です。
私たちのアプリでは、決めておいた時間ごとに泥棒の位置が公開されます。公開された瞬間に警察が動き出し、泥棒は次の公開までに移動する。その繰り返しが、追いかけっこのリズムになります。ずっと見えているわけではないので、逃げる側にも考える時間が残ります。
6. 終わり方を決めておく
意外と忘れられるのがここです。決めておかないと、なんとなく人が減っていって、なんとなく解散になります。
終わり方は二つで足ります。
- 泥棒が全員つかまったら、警察の勝ち
- 時間切れまで一人でも残っていたら、泥棒の勝ち
時間は30分くらいから試してみるのもひとつです。実際に学校で行われた事例でも、子どもの体力を考えて30分に設定した例があります。長ければ盛り上がるというものでもありません。
そして、終わったあとに少しだけ話す時間をとってみてください。「どこに隠れてた?」「あそこで捕まえたやつ、すごかった」。ゲームが終わってからのこの時間も、意外と楽しいものです。
決めることは、思ったより少ない
範囲、人数、牢屋、始まりの合図、位置、終わり方。六つだけです。
この六つを先に決めておくと、当日は走ることに集中できます。もめごとのほとんどは、決めていなかったことから起きるからです。
私たちは、こうした準備やゲームの進行を少し楽にするためのアプリ「ケイドロ」をつくっています。大人数でケイドロをやってみたいと思ったときに、少しでも役に立てたらうれしいです。気になった方は、のぞいてみてください。